「娼婦」として働かされていた千尋。
この周りを取り囲む「登場人物」にも、隠された設定がある。
「カオナシ」資本主義の象徴となっている。 カオナシは、食べ物を与えてくれた者へ金を払い、いくらでも沸きあがってくる大金を、ばら撒く。 最初はみんな「気前のいい客が来た」と喜んで群がるが、最初はうまくいっても、次第に秩序を失い、どんどん膨れ上がり大爆発するさまが描かれている。 いつまでたっても満腹にならないカオナシは、資本主義のメタファーになっている。
「くされ神」千が最初に接客する相手である「おくされ様」。 これは、資本主義が生んだ公害汚染や、環境汚染を意味している。 たまりに溜まったおくされ様の体内から排出されたのは、大量のゴミであった。